実害はなかったとはいえ、スリ騒動で疲れているし写真を撮ったりしながら部屋でゆっくりしたいところだが、今日はゆっくりしている時間はない。
トイレを済ませ、まどからの景色を一瞬楽しんだだけでホテルを後にした。
向かうはゴシック地区。
メトロで行くつもりだったが、部屋を出る前にGoogleマップで検索すると、20分位歩けば、最初の目的地、カタルーニャ音楽堂に着くことがわかった。昼間のうちに景色も楽しみたい。 高級ブランドが軒を連ねる、バルセロナ1のショッピングストリート、グラシア通りを南下する。残念ながら、ウィンドーショッピングする時間すらない。
半日でカタルーニャ音楽堂、大聖堂、グエル邸(できればピカソ美術館も)を巡る欲張りな予定だ。もちろん入場の上で、それぞれ1時間は見学したい。


10分程で大きな広場が見えてきた。カタルーニャ広場だ。左へ曲がり1ブロック歩いたら右折。ガイドブックの地図と必要な観光地のページは気休めに写メしたが、方向音痴で地図も覚えられないので、とにかくGoogleマップに従って歩く。
通りを曲がるとPalau de la Musica Catalunaはあちら→という看板が目に入った。いよいよだ。
大きな円柱の張り出し部分を持つ茶色い煉瓦造りの建物が現れた。一部は1階から最上階部分まで大きなガラスで覆われている。
チケットを持っていなかったので、チケット売り場で€16で購入したが、後からオーディオガイド付きにすべきだった、と後悔した。時間に余裕があれば事前にガイドツアーに申し込んでおけばさらに楽しめたと思う。個人旅行なのに下調べができていなさすぎて、あきれるしかない。
一階にはおしゃれなステンドグラスと豪華な天井に目を奪われる、素敵なカフェスペースがある。時間があれば、ここでティータイムといきたいものだ。
これまた豪華な大理石の階段を上り二階へ。大きな広間(休息の間)があり、ステンドグラスの装飾が施された掃き出し窓で3面が覆われているので、この日はあいにくの天気だったが、十分明るかった。部屋の真ん中には大きなシャンデリアがある。
広間も豪華だが、ベランダにはこんなに要らんだろう、とツッコミを入れたくなる程たくさんの柱が、全て違う花の模様のモザイクタイルで覆われている。さらに柱の上部は立体的な花々で縁取られている。柱だけでなく緩やかな曲線を描く天井もモザイクで花の装飾があしらわれている。
設計者のモンタネールが『花の建築家』と呼ばれるのもうなずける。モンタネールは、19世紀末に流行ったスペイン版アール・ヌーヴォー・モデルニスモを代表する建築家で、当時はガウディよりも有名だったそうだ。
さぁ、そしていよいよ、どのガイドブックでも必ず紹介されている、あのシャンデリアのある、2階のホールへ。
いや、もう、なんと言っていいかわからない。写真やTVで今までいく度も見て、とにかくゴージャスなことはわかっていたつもりだったが、実物を目の当たりにすると、もう、どこもかしこも凄すぎて、どこを見ていいかわからない。(ガイドツアーだったら、ちゃんとポイントを押さえて見所を紹介してくれるはず)ああ、なんでちゃんと確認して、オーディオガイド付きのチケットにしなかったのか・・・
ステンドグラスのシャンデリアは言うまでもないが、モザイクタイルの柱は優美な曲線を描いて天井へと続き、立体的な花の装飾も、先程見たベランダ以上にあしらわれ、天井には薔薇🌹、薔薇🌹、薔薇🌹・・・!!!
『華美』と言う言葉があるが、カタルーニャ音楽堂はまさに華美の極み。こんなに装飾しまくらなくてもいいだろうに、とも思うが、それよりも、よくぞこんな建物を後世に残してくれた、と言う感謝の気持ちが湧き出してくる。ありがとう、モンテネール先生、ありがとう、モデルニスモ!!!それにしても、莫大な費用と時間がかかったんだろうなぁ。さすがスペイン。
カタルーニャ大聖堂はオルフェオ・カタラン合唱協会が練習やコンサートを開くために作ったもので、1905年からたった3年で作られたんだそうです。そして、1936~1939のスペイン内戦でも奇跡的に空爆の被害を受けることなく、同じ建築家モンタネールが設計したサン・パウ病院と共に、1997年に世界遺産に登録された。1980年代に大規模修繕が行われ、現在の姿に。
時々客席に座り休憩を取りながら写真を撮ったりしたものの、朝からの疲れもあり、本当は急いで次の観光に向かうべきなのだろうけど、1階のカフェテリアでお茶にすることにした。これが気ままな一人旅の醍醐味(観光に勤しみすぎて、カフェはおろか食事も適当になりがちなことが多いけど)
食事もできますが、時間がなかったのでシナモンロールとエスプレッソを注文。€5位でした。エスプレッソだけなら€2しなかったと思います。
カフェ部分は、以前はオフィスだったそうです。
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